2016 年 65 巻 4 号 p. 408-413
簡易血糖測定器である,血糖自己測定(self monitoring blood glucose; SMBG)機器や病棟用(point of care testing;POCT対応)血糖測定機器は,簡便かつ迅速な測定が可能である。そのため患者個人だけでなく,広く医療現場でも使用されている。しかし2011年,手指の残留果汁が原因とされる偽高血糖事例が報告された。今回,本事例を検証するためSMBG機器7種を対象に,グルコース以外の果汁に含まれるとされる糖類(4種)との反応性を検証するとともに,食品や輸液等に含まれるとされる糖類(7種)についても検証した。結果,検証に用いた果汁に含まれるとされる糖類は,全ての機器において影響を与えなかったため,偽高血糖事例は,果汁中に含まれるグルコースが原因である可能性が示唆された。一方,食品や輸液等に含まれるとされる糖類においてキシリトール以外の糖は,検証に使用した何れかの機器に影響を与えた。簡易血糖測定器は手技や機器の特徴により,予想外の結果が得られる場合がある。従って使用者は,それらを十分理解した上で使用することが重要である。