2018年に若手技師国際化対応力向上ワーキンググループ(working group; WG)が発足し,このWGの最初の企画としてThe International Young BLS Forumが開催された。本フォーラムの目的は国内外の若手臨床検査技師(biomedical laboratory scientist; BLS)が臨床検査の未来像について国境を越えた論議を行うことである。我々は癌ゲノム医療をテーマに論議した。ゲノム医療において重要とされる病理分野における組織の固定方法や人工知能(artificial intelligence; AI)の活用に関する質問を5項目リストアップし,各国がそれに回答する形で事前準備を進めた。各国ともにガイドラインに従い固定液は10%中性緩衝ホルマリンを使用し,固定時間も徹底されていた。フォーラム当日はゲノム医療におけるAIの有用性について重点的に論議を行い,BLSとAIとが共存することにより様々な検査が統一化され,効率的かつ精度の高いゲノム医療を提供することが可能になるのではないかと考えた。結果的に患者にとっても大きなメリットになり得るという結論に至った。一方で,AIを操作するBLSの教育方法,ビッグデータの保管および活用方法,学習モデルの標準化および倫理的問題の解決など,今後の課題点も挙げられた。本フォーラム開催によって,各国のBLSが抱える現状と問題点を把握することができ,将来のBLSのあり方について国際的視点で論議することができた。