医学検査
Online ISSN : 2188-5346
Print ISSN : 0915-8669
ISSN-L : 0915-8669
資料
小児のウイルス性胃腸炎における迅速診断キット陽性例の検討
三宅 妙子田中 伸久佐藤 敦子
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2020 年 69 巻 2 号 p. 235-239

詳細
抄録

迅速診断キットを用いたロタウイルス(rotavirus; RV),ノロウイルス(norovirus; NV),アデノウイルス(adenovirus; AV)の検査結果について,各抗原陽性例の特徴を臨床検査所見から明らかにする目的で,後方視的に検討した。2015年1月~2018年12月に当院でRV,NV,AVのいずれかの抗原検査が行われた0~18歳の延べ633例(中央値2歳)を対象とした。RVは検査数563,陽性64例(陽性率11.4%),NVは検査数524,陽性46例(陽性率8.8%),AVは検査数312,陽性18例(陽性率5.8%)であった。発症年齢は3ウイルスとも0~2歳が全体の多くを占めていた。流行時期は,RVが春季,NVが冬季中心で,AVは夏季に比較的多く,流行時期が異なっていた。RV,NV,AV全てが陰性であった例を陰性群とし,臨床検査値について各陽性群と比較した。末梢血中の白血球数および血清中のCRP,AST,ALT,尿素窒素,クレアチニン,グルコース,ナトリウムについては,異常値の占める割合に有意差は認められなかった。また,異常値が50%以上を占めた項目はAV陽性群のCRP(60.0%)とUN(50.0%)のみで,RV陽性群,NV陽性群,陰性群では異常値が50%以上を占めた項目はなかった。各ウイルス感染とも,臨床検査所見からの特徴づけは困難と思われた。

著者関連情報
© 2020 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
前の記事 次の記事
feedback
Top