2020 年 69 巻 4 号 p. 516-526
分子生物学的手法の普及によりMycobacteriumは5属に再編成され,菌種も188種以上に増加した。そのため,従来の遺伝子検査やフェノタイプ検査では,非結核性抗酸菌の同定が困難になっている。そこで,ハウスキーピング遺伝子の一つであるsecA1遺伝子を用いた,系統樹解析やBLAST解析で同定を試みた。その結果,DDH法や16S rRNA遺伝子では同定困難であったM. abscessus,M. avium,M. fortuitum,M. lentiflavum,M. mageritense,M. marseillense,M. ulceransの同定が可能であった。secA1遺伝子はM. intracellulareなどの鑑別に課題は残るが,GenBankに登録された基準・標準株が増加したことにより,非結核性抗酸菌の同定ツールとしての有用性が増した。