血液培養陽性液から作製した菌濃縮液を試料とする直接extended-spectrum β-lactamase(ESBL)検出法について検討した。当院の血液培養検査にて検出されたEscherichia coli,Klebsiella pneumoniae,Klebsiella oxytocaおよびProteus mirabilisの4菌種68株を対象とした。方法は,血液培養陽性液から作製した菌濃縮液を試料としシカベータテストを実施した(シカベータ直接法)。確認試験法として,サブカルチャーで得られたコロニーを用いて,Clinical and Laboratory Standards Instituteに準拠した薬剤感受性試験によるスクリーニングおよびディスク法による確認試験を実施し,シカベータ直接法の結果と比較した。シカベータ直接法において68株中17株がESBL産生,51株がESBL非産生菌と判定され確認試験法の結果と一致した。シカベータ直接法は,コロニーを用いた従来のシカベータテストとほぼ同等の性能を有しており,血液培養陽性ボトルから迅速に直接ESBLを検出できる方法である可能性が示されたが,今後更なる検討を要する。