抄録
市民社会組織(CSO)にとって,評価が学びとなり,社会課題の解決に向けた効果的なツールとなるとの着眼点から,日本のNPO/NGOに向けた評価普及の試みに取り組んでいる.その観点から,本論は,グローバルな場で起こっている2つの流れに注目した.
ひとつは,2015年,持続可能な開発目標(SDGs)採択の年を契機として,評価の担い手の育成が急務との発想をもとに,国レベルでの質の高い評価のための環境整備や評価専門機関とCSOの基盤強化などを主眼とする今後5年間のグローバル評価アジェンダが作られたことだ.もうひとつは,評価専門家のあいだで進展しつつある,評価の「第5の波」と呼ばれる潮流である.それは,評価の対象のみならず,それを取り囲む関係者が多様になり,事業の「成果」と同様に「価値」に注目が集まり,評価結果の活用も投資目的など,急速に幅広いものになっている状況をさす.
こうした流れのなかで注目したいのが,システム理論や複雑系理論を援用した「発展型評価」と呼ばれる評価アプローチで,従来のやや静態的な評価アプローチから,より動態的なアプローチそして開発されているものだ.これらは,社会的イノベーションなどをモニターし,支援するものとしての使い道が議論されている.