抄録
本研究は,療養の場を問わず使用できる病気の不確かさ尺度(UUIS)を開発し,その信頼性と妥当性を検討した.研究は2段階からなり研究1では,53項目のUUIS原案を患者手記やインタビューデータを元に作成した.
研究2では,2つの調査を行った.調査1では,様々な疾患の外来・入院患者535名のデータを元に探索的因子分析を行い26項目6因子構造(【生活予測不能性】【情報解釈の複雑性】【病気意味の手がかり欠如】【病気性質の曖昧性】【病気回復の予測不能性】【闘病力への自信の揺らぎ】)のUUISを採択した.UUIS全項目および6下位尺度ともに十分な内的整合性が得られた.併存的妥当性ではUUISとSTAI,POMSの抑うつ,マスタリー尺度と1%水準で有意な相関が認められた.なお,確認的因子分析によりUUISは容認できる適合度を有していた.
調査2では,2型糖尿病患者で再現性を検討したところUUIS総得点では相関係数が0.74であった.
以上の結果から,UUISは更なる検討が必要であるが,臨床での使用基準を充たしていると判断できた.