2020 年 40 巻 p. 587-593
目的:認知症高齢者の効果的な口腔ケアに向け,看護師が実践しているケアの現状と,それを踏まえた今後の課題について示唆を得るため,国内文献の知見を整理すること.
方法:医学中央雑誌Web版(Ver. 5)とJDream IIIをデータベースとして,「認知症」「口腔ケア」をキーワードとして検索し,22件の原著論文を分析対象とした.
結果:器質的口腔ケアに関するものが15件,機能的口腔ケアに関するものが7件であった.【器質的口腔ケア実践の問題点】【看護師による口腔ケアの工夫】【他職種による口腔ケアの工夫】【多職種連携による口腔ケアの効果】に分類された.
結論:本研究結果による認知症高齢者の口腔ケアの現状から,看護師の認知症高齢者の口腔ケアに関する知識・技術をさらに向上させるための教育,認知症高齢者の口腔ケア実践において常に多職種連携が行える環境の確立と,その環境を整備する能力を看護師が身に付けることが,今後の課題であると考えられた.