日本看護科学会誌
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原著
精神科看護師の身体をとおした統合失調症者の理解と看護実践
嵐 弘美
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2021 年 41 巻 p. 52-60

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抄録

目的:精神科看護師が自身の身体をとおして,どのように統合失調症者を理解して看護を実践しているのかを明らかにする.

研究方法:Merleau-pontyの現象学的身体論に基づいた質的帰納的研究デザインを用い,統合失調症の看護経験が3年以上の看護師15名に半構成的インタビューを行った.

結果:1.精神科看護師の身体をとおした統合失調症者の理解と看護実践には,身体性の次元と言語の次元がみられた.2.統合失調症者の生き辛さは,《自分の身体に馴染めない》,《他者の身体に脅かされる》,《自分らしく生きることに困難を抱える》であった.3.精神科看護師は,【共鳴する】ことと【応じる】ことを通して【関係性によって癒す】という実践をしていた.

考察:精神科看護師は,統合失調症者の「自己性の形成不全」という生き辛さを,間身体性による付き合い方の身体知によって築いた関係性によって癒すことが示唆された.

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© 2021 公益社団法人日本看護科学学会
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