日本看護科学会誌
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原著
膀胱用超音波画像診断装置を用いた膀胱内尿量連続測定による術後尿道カテーテル留置中患者の尿流出状況の実態
北田 裕香大村 優華山上 優紀藤井 誠森脇 芙美宮前 貴文植田 弥里安吉 成瑠美辻本 朋美井上 智子
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2021 年 41 巻 p. 841-849

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抄録

目的:術後尿道カテーテルを留置している患者の膀胱内尿量を連続測定し尿流出状況の実態を明らかにする.

方法:泌尿器・消化器・内分泌手術後に尿道カテーテルを留置している患者を対象に,手術後から翌朝まで膀胱用超音波画像診断装置を装着し,膀胱内尿量を1分毎に連続測定した.なお膀胱内尿量100 ml以上を「尿流出停滞」と定義した.

結果:患者23名中16名を分析対象とした.そのうち「尿流出停滞」を認めた患者は7名(43.8%)であった.膀胱内尿量最高値は中央値(四分位範囲)78(51, 143)mlで,範囲は34~193 mlであった.尿流出停滞を認めた患者7名の尿流出停滞時間は中央値(四分位範囲)24(2, 48)分で,範囲は2~61分であった.

結論:術後尿道カテーテル留置中患者の半数近く(43.8%)に一時的な尿流出停滞を認め,停滞時の最高膀胱内尿量は193 mlであった.

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