2023 年 43 巻 p. 499-508
目的:インストラクショナルデザインを用いて開発した産後うつ病に関する保健師の実践能力向上のための研修プログラムの効果と有用性を評価する.
方法:産後うつ病に関する研修プログラムを開発し,保健師を対象にeラーニングを用いて実施した.研修前,研修直後,研修1か月後の知識テスト得点,目標達成度の得点はFriedman検定,各時期の比較はBonferroni法を用いた多重比較を行った.
結果:保健師40名を分析対象とした.研修プログラム内容は興味関心など高い反応が得られ,対象者は研修前に比べ研修直後,1か月後では知識テスト得点,目標達成度の得点が有意に上昇(p < .05)し,本研修で得た知識,技術を実践活動で活かしていた.
結論:本研修プログラムでは,対象者への高い学習意欲や動機付けがされ,知識の習得や実践能力の向上に繋がった.今後の保健師教育でもインストラクショナルデザインの手法を取り入れて教育や研修を行うことは有用であることが示唆された.