日本看護科学会誌
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原著
縦断調査による妊娠初期,中期,後期の睡眠障害と自律神経活動との関連
渡邊 美奈子篠原 ひとみ
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2023 年 43 巻 p. 509-519

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抄録

目的:妊婦の主観的・客観的睡眠指標を経時的に測定し妊娠経過に伴う睡眠障害と自律神経活動の関係を明らかにする.

方法:初期,中期,後期に主観的睡眠指標(PSQI-J, JESS),Silmee Bar type Liteを用い客観的睡眠指標と自律神経活動を測定した.

結果:37名を分析対象とした.PSQI-J得点(高いほど自覚的睡眠の質が悪い)は初期より中期で有意に低かった.自律神経活動では,初期にHF平均(高いほど副交感神経活動優位)は有意に高く,LF平均/HF平均(高いほど交感神経活動優位)は有意に低かった.相関分析の結果,後期にPSQI-J得点とHF平均との間に負の相関,LF平均/HF平均との間に正の相関,JESS得点(高いほど日中の過度な眠気が強い)とHF平均との間に負の相関,LF平均/HF平均との間に正の相関を認めた.

結論:妊婦の睡眠障害の一因に自律神経活動が関係している可能性がある.

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© 2023 公益社団法人日本看護科学学会
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