目的:女性と自認していない生物学的女性で出産を経験した者が,妊娠・出産・産後の体験をどのようにとらえ,感じ,考えていたのかを本人の語りを通して明らかにする.
対象と方法:トランス男性(身体的には女性で性自認が男性),Xジェンダー(身体的には女性で性自認が女性でも男性でもない),かつ妊娠・出産し生児を得て授乳・子育て経験がある者に半構造化面接を行い,テーマ分析法で分析した.
結果:6名の妊娠・出産・産後の体験の語りより【妊娠・出産した人生に対する心の揺らぎ】【妊娠・出産・産後の女性的なからだの変化に対する認識】【妊娠・出産・授乳をするのは女性,母親であるという一般的な性規範への不快感】【性自認の開示状況で異なる医療者との関係】の4テーマを抽出した.
結論:看護者には,シスジェンダーに基づくケアを提供するだけでなく,多様な性を理解しこれらの人々へのケアのあり方を探究する姿勢が必要である.