2026 年 46 巻 p. 65-73
目的:地域で暮らす統合失調症を経験している人の自己成長感を明らかにすることである.
方法:統合失調症を経験している10名を対象に,個別の半構造的面接を実施し,自身が感じている成長に関する回答内容を質的記述的に分析した.
結果:統合失調症を経験している人の自己成長感は,【喪失と現実の折り合いをつけながら生き方を再構築している】【病気の経験や日常の出来事に新たな意味を見いだしている】【病気を抱える自分を理解し受け入れ自分らしさを取り戻している】【他者とのつながりを取り戻し支え合える関係へと深めている】の4つのカテゴリが生成された.
考察:統合失調症を経験している人の自己成長感は,希望と不安などの間でゆらぎつつ自己調整を重ねて前進が実感される,喪失と前進が併存する「ゆらぎの中の成長感」であり,生き方の再構築感,新たな意味づけ感,自分らしさの回復感,他者との共生感によって特徴づけられることが示唆された.