日本看護科学会誌
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『看護の専門的能力』の視点からみた院内教育ニーズの分析
-N系病院における看護婦の調査から-
本田 多美枝
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2000 年 20 巻 2 号 p. 29-38

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抄録

本研究の目的は, 院内教育における教育ニーズと学習ニーズの関係, 及び学習ニーズの関連要因を明らかにすることである. Competency Model Methodを参考に, ニーズ調査の枠組みとして『看護の専門的能力』を設定, 質問紙を作成した. これは9中位項目で構成され, 4段階評定で数量化される. 分析対象は, N系総合病院7施設の院内教育担当者48名と看護婦240名で, 以下の結果を得た.
1. 教育ニーズは学習ニーズに比べ,「教育・指導」「調整」「研究的態度」「意思決定」の中位項目(以下, 中位項目は「」で記す)が有意に高く, 「対象理解」「直接的ケア」は学習ニーズが高い傾向を示した.
2. 学習ニーズには臨床経験年数と自己研鐙が関連していた.(1) 臨床経験年数では「対象理解」「直接的ケア」「看護過程」「相談・支持」「意思決定」に有意差が見られ, 4年目以上で低下傾向を示した.(2) 自己研鐙では, 「研究的態度」「教育・指導」に有意差が見られ, 自己研鐙している者の学習ニーズが高値を示した.
3. 教育の提供時期に関しては, 教育側は3年目までに集中する傾向にあった. しかし, 受け手側では学習ニーズの優先項目を分析した結果, 4年目以上で学習の関心に広がりがみられた.
以上のことから, 今後は学習ニーズの特性を踏まえた上での, 長期的展望に立った教育の必要性が示唆された.

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