日本看護科学会誌
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外来でがんと診断されて間もない時期にいる乳がん患者への看護介入ならびに本看護介入を促進する医療的環境
猪又 克子
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2004 年 24 巻 1 号 p. 30-36

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抄録
本研究は, Newmanの健康の理論を枠組みとして, 看護介入としての自分のありようを認識する過程を外来でがんと診断されて間もない時期にいる乳がん患者と一緒に辿り, 治療に関する意思決定をしていく過程を明らかにした. また, 本看護介入をより効果的に促進するには, どのような医療的環境が求められているかを明らかにした.
外来でがんと診断されて間もない時期にいる乳がん患者が, 自分のありようを認識していく過程には, 5つの局面が現れた. そして, 本看護介入は, 乳がんと診断された早い時期にいる患者が, 治療に関する意思決定をしていく上で役立つことが示された. さらに, そのためには患者と看護師とのパートナーシップを支える蟄かな医療的環境が重要であることが示された. そして, この医療的環境とは, 患者が自分の病気と治療について理解し, 医療者との信頼関係を結び, 自分自身を肯定できることであった.
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