日本精神保健看護学会誌
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精神科看護師が抱く当事者のリカバリーの可能性に対する希望に関連する因子
田中 敦子香月 富士日
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2024 年 33 巻 1 号 p. 115-124

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抄録

本研究の目的は,精神障害をもつ当事者のリカバリーに対し,精神科看護師が抱く希望に関連する因子を特定することである.無記名自記式質問紙またはWeb調査を行い,精神科の病棟看護師および訪問看護師384名の回答を分析した.精神科看護師が抱く希望として測定した日本語版Recovery Attitudes Questionnaire(以下RAQ)得点を目的変数(低群0,高群1)とし,当事者との肯定的な接触経験,地域支援経験,看護経験,リカバリー知識やリカバリーに関する認識,研修受講,支援環境,個人特性を説明変数としてロジスティック回帰分析を行った.当事者との肯定的な接触経験(OR = 2.11),リカバリー知識(OR = 2.62),リカバリーに関する興味・関心(OR = 2.11)や支援の難しさの認識(OR = 1.80),急性期系病棟勤務(OR = 0.34)がRAQと関連を示した.精神科看護師の希望を高めるには,リカバリー知識の向上や当事者との肯定的な接触経験を増やすことが効果的であると考えられた.

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© 2024 日本精神保健看護学会
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