応用統計学
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結果に順序がついている前向き研究での効果の指標
佐藤 俊哉
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1991 年 20 巻 2 号 p. 77-87

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抄録
医学研究ではしばしば健康状態を,「順序を持った反応」として取り扱う.結果の順序にしたがったリスク要因への曝露の効果が認められるかどうかは,いわゆる「傾向性の検定」により調べることができる.結果を報告する際には仮説検定の結果だけでは不十分であり,効果の大きさ,さらには効果の信頼区間も報告する必要がある.結果に順序がついている場合の効果の大きさの推定には,順序のついたカテゴリカルデータを解析する一般的な方法である累積オッズモデルなどが用いられる.しかし,そのようなモデルから得られたパラメータに具体的にどのような医学的意味があるのかは明らかでない.
本論文では「結果に順序がついている場合の曝露の効果」を調べるための新しい効果の指標を提案する.提案する指標はSMRと同じ考え方から,曝露グループで観察された事象の発生数と曝露を受けなかった場合に期待される事象の発生数の比をとったものである.したがってリスク比としての解釈が可能で,計算も簡単である.交絡要因で層別した場合の解析に,提案する指標を拡張する方法についても論ずる.
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