質的心理学研究
Online ISSN : 2435-7065
学生はいかにして障がいがある児童生徒とのかかわり方をみつけていくのか
特別支援学校での教育実習体験に着目して
木谷 岐子
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2025 年 24 巻 1 号 p. 166-185

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抄録
本研究の目的は,特別支援学校での教育実習を行う学生が,障がいがある児童生徒とのかかわり方をみつけていくプロセスを導出することである。11名の学生にインタビュー調査を行った。修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析し,以下のプロセスを明らかにした。特別支援学校での教育実習を開始した学生は,児童生徒に“自分のかかわりの方法が通用しない”ことで“ショックと焦り”を体験する。そこから,“どうすればかかわらせてくれるのだろう”という志向をもって実習に臨む。そうした中で,学生は,児童生徒との“かかわりの糸口をみつける”節目を迎え,“その子が生きる世界に飛び込む”。その後,障がいがある児童生徒に対し,“あなたとわたしがかかわり合う”ことへの喜びを感じ得て実習を終える。プロセスが進行する間,学生は,“相方の実習生と支え合う”ことで児童生徒との“かかわりへのエネルギーをチャージ”していることがわかった。
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© 2025 日本質的心理学会
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