第四紀研究
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論説
西南日本・紀の川流域に分布する鮮新-更新世菖蒲谷層群テフラの識別と対比
丸山 誠史, 竹村 恵二, 平田 岳史, 岩野 英樹, 山下 透, 檀原 徹
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2018 年 57 巻 6 号 p. 211-227

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抄録

紀の川流域に沿って分布する,菖蒲谷層群から採取されたテフラ試料に含まれる火山ガラスの58元素の濃度を,レーザーアブレーションICP-MS法(LA-ICP-MS)を用いて測定した.また菖蒲谷層群の根来断層から採取された菩提峠火山灰層試料の年代を,LA-ICP-MSによるウラン・鉛年代法と組み合わされたフィッショントラック(FT)法を用いて推定した.五條4および菖蒲谷1火山灰層試料の多元素濃度パターンは,それぞれ猪牟田ピンクと恵比寿峠-福田テフラのものと概ね一致した.菩提峠および新池火山灰層試料の多元素濃度パターンは,姶良Tn(AT)テフラのものと似通っていた.しかし,ウラン・鉛法およびFT法によって見積もられた菩提峠試料の年代は1.6~1.3Maであり,ATテフラよりも大幅に古い年代であった.層序関係からは,新池火山灰層もATテフラより古い年代を持つことが推定された.しかし元素パターンに加えて,火山ガラスが完全に水和していない事や,ガラスと共存する頑火輝石の屈折率から,新池テフラ試料は菖蒲谷層群を覆う,より若い地層に由来するATテフラそのものである事が推定された.長屋川テフラの多元素濃度パターンは,ATよりも鬼界アカホヤ(K-Ah)テフラに,部分的に似通ったものだった.

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© 2018 日本第四紀学会
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