第四紀研究
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「第四紀研究から防災・減災への多角的なアプローチ」 特集号
群列ボーリング調査と地中レーダ探査による伏在活断層の活動履歴の検討─大分平野西部の府内断層の例─
中西 利典木村 治夫松山 尚典ホン ワン堀川 義之越後 智雄北田 奈緒子竹村 恵二
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2019 年 58 巻 2 号 p. 163-173

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抄録

中央構造線活断層系の西端に位置する別府湾は,およそ5Maから沈降場にある.その南縁の府内断層は同堆積盆を構成する主要な正断層である.その活動性を評価するために,断層を挟んで掘削された7本のボーリングコア試料を用いて,堆積相解析,珪藻化石の群集組成解析,合計17試料の陸源植物片と4試料の海生炭酸塩の放射性炭素年代測定を実施した.それらの解析結果を基にして,デルタフロント相,デルタプレーン相,人工盛土相を認定した.これらの堆積構造と変形構造は地中レーダ探査によって可視化された.これらの結果,デルタプレーン相の最上部の泥層の堆積年代と珪藻化石群集を基にして800~400calBPの最新活動を認定した.デルタフロント相の泥層の上下変位量を基にして2,100calBP頃の活動も認定した.これらからおよそ1,700年の再来間隔が計算できる.

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© 2019 日本第四紀学会
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