抄録
本稿では、超分散社会、e託販社会、セーフティネット社会の三領域の社会システムを対象に、イノベーション(変革;Innovation)による「場のシステム(System of Ba)」の「創成・創出(Creation)」の側面ではなく、社会システムにおける過剰な消滅(オーバーキル;Overkill)の現象を取り上げ、イノベーションによる復元力の縮減(Shrinkage of Resiliency)に係る一種の危機感の警鐘を鳴らしつつ、「サステナビリティ(持続可能性;Sustainability)」の課題との連携的な整合性を図り、社会システムの現場における復元力を維持・確保する工夫、例えば、「場のセーフティネットの多様化(Diversification in the Safety Net of Ba)」の構想が必要になるであろうと論じた。今後、新たな枠組み作りが創発されることを期待する。