抄録
全国の知的障害特別支援学校高等部の軽度知的障害のある生徒の障害名の認知,自尊感情,自己理解の現況,それらに関連する問題と支援への取組み,重要な他者の影響について,教師のとらえ方と判断について調査した.その結果,障害名を認知している軽度知的障害のある生徒が 70.1 %,自尊感情が低い生徒と自己理解がうまくできていない生徒がそれぞれ68.7%,71.7%であった.その影響がさまざまな学習活動に見られていた.自身の障害名を認知している生徒,自尊感情の低い生徒,自己理解がうまくできていない生徒の活動への影響について,行動面,社会的場面,学習場面に分類できた.また,教師による教育支援は個々に実践されているものの,機会に応じて行うことが多かった.重要な他者について認知している生徒の割合は約90%であり,重要な他者から褒められたことに喜びを感じたり,学校生活や学習活動へ意欲的に行動できたりすることが担任教諭の記述から推測された.