抄録
発達障害に対する社会的認知が高まり理解が進むなか,発達特性をもつ児童の就労支援も進んでいると考えられる.企画者は鹿児島県において児童精神科領域において発達障害特性をもつ児童にかかわっており,学童期か ら就労まで切れ目なく支援をしている.そのなかで発達特性をもつ児童,特に知的障害がない児童は就職,就労の継続について大きな壁にぶつかり,それが原因となり抑うつなど 二次的な精神的問題を抱え苦悩する姿を多く見てきた.知的障害を伴わない発達特性をもつ児童の場合,当県においては養護学校を経由せず,通信制高校を選択する児童が多い. 通信制高校から就職,就労の定着がうまく機能せず,社会適応できずに精神科医療につながっているケースが多いと感じている.
本シンポジウムにおいては,発達特性をもつ児童の保護者に登壇いただき,当事者の立場から就職に関しての困りについて問題提起をしていただいた.これに対し児童の就職支援に長年携わってこられた教育の領域から就 労支援や問題点について述べていただいた.また当県の特徴として離島を抱えているが, 離島でこうした発達特性をもつ児童の就労支援や定着促進を進めている支援者の立場から現状を述べていただいた.そして発達特性の みならずさらに加えて虐待などを受け,社会的養護が必要な児童の就労について児童養護施設の立場からお話しいただき,現状と課題,そしてニーズにどうこたえればよいのかを議論した.