発達障害研究
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インクルーシブ教育時代の教員養成と現職教員の資質・能力向上への支援
─異なる立場の学び合いや省察が資質・能力向上に及ぼす影響─
菊地 一文川島 民子佐藤 晋治坂本 裕
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2022 年 44 巻 1 号 p. 45-47

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抄録
教職大学院の目的・機能として,①学部段階での資質・能力を修得した者のなかから,さらにより実践的な指導力・展開力を備え, 新しい学校づくりの有力な一員となり得る新人教員の養成,②現職教員を対象に,地域や 学校における指導的役割を果たし得る教員等 として不可欠な確かな指導理論と優れた実践力・応用力を備えたスクールリーダーの養成の2つが挙げられている(中央教育審議会,2006).このことを受け,国立大学法人を中心とした教育学部では改組が進められ,全国各地に教職大学院が設置されてきた.2021年5月現在,教職大学院は全都道府県に,私立大学を含む54大学が設置するまでに至った. 教職大学院では上述した現代的課題を解決 するための教員の育成及び資質・能力の向上 に向けて,学部卒院生と現職教員院生が,そして各院生が専門とする学校種別を越え,さらには特別支援教育を専門とする院生と通常の教科教育を専門とする院生がともに学ぶことをとおして,それぞれの専門分野について理論と実践の往還的な学びによる融合を図り,省察を積み重ねる取組みを進めてきている.さらには,各大学において,教育委員会等と連携し,育成指標を開発するほか,地域が求める教育課題に応じた独自科目や実習科目の設定等,創意工夫によるカリキュラム体系が構築されている. 本シンポジウムでは,教職大学院の特徴的な科目や実習等に基づき,共通点や独自のポイントを明らかにするとともに,異なる立場の学び合いや省察が教員養成や現職教員の資質・能力向上に及ぼす影響,そしてこれらにおいて抱えている課題について検討した.また,インクルーシブ教育システムの推進・充実が求められる昨今において,すべての教員に求められる専門性や研修においてふまえるべき視点,効果的方法等についても検討し, 今後の現職教員研修等の充実を図るうえでの参考とすることを目的とした.
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© 2022 日本発達障害学会
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