抄録
わが国では共生社会の実現に向けて,イン クルーシブ教育システムの充実が重要な課題となっている.特に,特別支援教育で培った専門性をどのように通常教育の場に活かしていくかは大きな課題である.インクルーシブ教育システムでは,従来の特別支援教育ではカバーしていなかった,より広範な教育的ニーズへの対応が必要となることが明らかであり,多様な専門性が求められる状況が生じることが予想される.このような状況のなか で,教育や福祉,そして地域資源の連携・協力が欠かせないが,異なる専門性をもつ専門家同士の連携・協力の形態の1つである「コンサルテーション」は特別支援教育の推進,ならびにインクルーシブ教育システムの実現 に有効な手段の1つであると言えよう.
そこで本シンポジウムでは,アセスメントや授業の指導パッケージ(TASUC株式会社,以下TASUC)を用いた「コンサルテーション」事例を題材に,今後の学校や福祉機関へのコンサルテーション提供の社会的妥当性と普及に向けたアイディアを共有することを目的とした.指定討論では,学校コンサルテーションの効果や,インクルーシブ教育システムの実現にどのように寄与していくか議論した.