災害情報
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Print ISSN : 1348-3609
[論文]
木造住宅の耐震化および建替えに関する意識に影響を与える要因の分析
―静岡県富士宮市におけるケーススタディ―
池田 浩敬
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2010 年 8 巻 p. 65-74

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抄録

阪神・淡路大震災以降、多くの地方公共団体が1981年以前の木造住宅の耐震診断、耐震改修等への補助制度等を創設し、住宅耐震化の促進に努めているが、その活用数は目標を下回っている。一方、阪神・淡路大震災以降、国や地方公共団体は、被災者の住宅再建支援制度を新たに設け、被災者に直接補助を出すようになった。しかし、こうした地震後の手厚い支援は、モラルハザードを生じさせ、事前段階でのリスク軽減のための対策推進の障害ともなりかねない、といった指摘もなされている。そこで本研究では、災害後の住宅再建支援制度の存在や各世帯の持つ様々な条件の違いなどの各種要因が居住者の住宅耐震化や建替えに関する意識に与えている影響を分析するとともに、耐震診断実施世帯と未実施世帯の違いについても分析し、耐震化支援制度の改善方策や有効な運用方法の検討に資することを目的とした。本研究では、木造住宅耐震化支援の補助制度を先駆的に実施している地方公共団体の一つである静岡県の富士宮市をケーススタディの対象地区とした。震災後の住宅再建支援制度の存在は事前段階での住宅の建替えや耐震補強の実施意向に対してプラスに影響すると考えられる事、耐震診断結果が耐震補強実施の意思決定のための重要な指標になっている事、建替え、耐震補強実施意向には世帯年収が影響を与えている一方で高額のリフォーム工事を実施している世帯が少なくない事などが明らかとなった。

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© 2010 日本災害情報学会
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