抄録
大阪府における農林水産業の構造変化を産業連関分析により明らかにした。大阪経済における農林水産業は昭和35年から55年までの20年間に総生産額に占める割合が0.8%から0.2%へと低下し、低落傾向の大きな産業である。需要構造は「中間需要型」を示しているが、その比率は低下傾向にある。また自給率も低下を続け、生産の多くを輸入及び移入に依存している。投入における構造変化の特徴は自部門への投入低下と製造業、流通、サービス部門での投入増加が上げられ、都市近郊における農林水産業の流通、サービス部門への依存度の高まりを裏付けている。この傾向は逆行列係数によって示される全産業への波及効果でも同様にみられ、流通、サービス部門への波及効果が高まっている。農林水産部門における昭和35年から55年までの生産額変動要因の解析結果では、最終需要、輸移出変動効果が生産誘発に寄与し、技術変動、輪移人変動効果が生産減少に働いていることが明らかとなった。この傾向は、特に昭和45年から55年までの10年間において大きかった。