日本醸造協会誌
Online ISSN : 2186-4012
Print ISSN : 0914-7314
ISSN-L : 0914-7314
解説
日本酒の新たな呈味性成分「D-アミノ酸」
老川 典夫
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 110 巻 4 号 p. 189-197

詳細
抄録

 近年の分析技術の進歩により,D-アミノ酸は医学,薬学分野において様々な生理機能との関連が明らかとなってきた。また,食品分野においても呈味性や機能性の面から大変注目され,呈味性を改善するための調味料や機能性を訴求する健康食品,美容食品などに利用されている。D-アミノ酸は乳酸菌を始めとする微生物が関与する発酵食品中に広く分布することから,清酒中のD-アミノ酸についても大変興味が持たれるところである。本稿では,清酒に含まれるD-アミノ酸と製造方法の関係や味への影響について解説頂くとともに,その生成機構についても解説頂いた。清酒の多様化という観点からの研究開発に大いに参考となることから,是非ご一読をお勧めしたい。

著者関連情報
© 2015 公益財団法人 日本醸造協会
前の記事 次の記事
feedback
Top