著者らは味噌由来の耐塩性乳酸菌株について,免疫系に作用がある菌株をスクリーニングし,B細胞(※1)にインターロイキン10(IL-10)やインターフェロンγ(IFN-γ)(※2)に加え,皮膚や腸管のバリア機能に必須なサイトカインIL-22(※3,4)の産生を強く誘導するTetragenococcus halophilus No.1(蔵華乳酸菌)を同定した。なお,B細胞がIL-22を産生することは,この研究で初めて発見された。マウスにこの乳酸菌を摂取させると,免疫グロブリンA(IgA)の産生が亢進し,また,免疫応答も亢進しており,免疫賦活作用があることが判明した。さらに著者らは,IL-22に着目し,食品由来の細菌についてスクリーニングを行い,味噌由来の乳酸菌Bacillus coagulans sc-09を高IL-22産生誘導菌株として同定した。この乳酸菌を摂取させたマウスでは,皮膚のバリア機能が向上させることが明らかになった。これらの味噌に含まれる乳酸菌のB細胞におけるIL-22やIL-10産生誘導能といった免疫制御機能は,味噌の健康増進効果の一端を担っていると考えられた。最新の味噌の機能性研究をご紹介いただいた。ぜひご一読願いたい。