2005 年 100 巻 6 号 p. 384-414
平成16年度における醤油の研究業績集を見ると, 関連する諸問題について高度な技術をもって基礎的研究の一端が確実に行われていることが伺われるものの, 実業的な面での研究の成果が少なく, あたかも醤油の研究が完成期を迎えたかのごとき様相が感じられる。しかしながら, 消費者の多様なニーズを考慮すると, 未だ研究開発の余地が大きく残されていると考えられる。これらの問題点を的確に捉え, 研究開発のゴールイメージを明確にして, より一層, 着実な検討が行われれば, さらに新しい醤油研究の隆盛を期待できるものと考える。今こそ, 温故知新, 新たな発展へのステップが得られる時代ではなかろうか。