日本醸造協会誌
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細胞壁タンパク質遺伝子由来のプライマーを用いたPCRの市販醸造酵母の判別への利用
福田 央周 延三上 重明
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2006 年 101 巻 5 号 p. 357-364

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抄録

市販醸造酵母を判別するために, AGA1, DAN4, HSP150及びSED1のORF由来のプライマーによるPCRを試みた。焼酎酵母及びブドウ酒酵母では増幅DNA断片の長さに多型性が認められ, 供試したブドウ酒酵母はすべて, 焼酎酵母は8株を判別することができた。しかし, 清酒酵母では多型性の程度が低く, K-11及びK-9以外は個別に判別できなかった。PCR法により醸造酵母を判別する方法は, 従来の生理学的性質を利用する方法に比べて容易であることから, これらのプライマーを用いる醸造酵母の識別は有用であった。

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