抄録
近年,EVは化石燃料枯渇や地球温暖化等の環境問題を解決する自動車として注目されている。一方,EVは内燃機関自動車に比べてトルク応答性能が高く,走行アシストや自動運転を含むインテリジェント走行を容易に制御できるという大きな利点を持ち,様々な機関において研究開発が行われている。筆者らも,以前より車両の開発時間やコストを低減するため,電気自動車のバッテリやインバータなどを含む高精度なシミュレーションモデルの開発を行っている。本論文では,パワートレインを理想化し走行制御のみに着目して,係数図法により設計した車輪速度制御器を提案し,シミュレーションにより有効性を確認したので,報告する。