抄録
色素増感太陽電池に用いられる光増感色素の一つとして疎水基を持つZ907色素は一般的に使用されるN719色素より水が原因で起こる色素脱離が起こりにくく、N719色素に比べてZ907色素の酸化電位がカソード側にシフトしているため、ルテニウム・/・対の可逆性が向上して太陽電池の安定性が改善されるなどのいくつかの優れた特徴を持っている。 しかし、Z907色素で作成される色素増感太陽電池の安定性は高いが光電変換効率はN719色素で作製されるものよりも低い。そこでZ907色素を用いて作製する色素増感太陽電池の高効率化を検討し、高い安定性と光電変換効率を持つ色素増感太陽電池の作成方法を提案する。