抄録
近年,視覚刺激に対する脳波の応答から被験者が選択した刺激を推定することで意思伝達を行う「ブレイン・コンピュータ・コミュニケーションシステム」の開発研究が行われている.このシステムは,思考能力は正常であるのに周囲に意志を伝えることができない筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis:ALS)患者に有用であるが,視覚障害を持った患者は利用できない.本研究は視覚刺激を指電気刺激で代用できないか検証を行った.結果,視覚刺激を用いた場合と同等の成功率となり,指電気刺激は有効な刺激方法であることが示唆された.