抄録
近年, 生活の利便化に伴い水環境は汚染の一途を辿っている. 産業排水などにはダイオキシンなどの難分解有機化合物が含まれ,現在の水処理法ではその完全分解が難しく,塩素処理では発がん性物質ができてしまうという欠点も問題となっている. そこで我々はナノ秒パルス放電を用いた放電による水処理法を研究している.放電による処理は促進酸化法の一種であり,化学的活性種であるOHラジカルなどを生成し,対象を酸化分解する方法である.この方法は副産物を出すことがなく難分解性有機化合物を分解できることから現在注目されている.今回の研究ではフェノール水溶液を用いてナノ秒パルス放電を用いた水処理実験における諸特性を調査した.