抄録
現在,スマートフォンに代表されるタッチパネルは主にITO(酸化インジウム)が導電材として使用される.ITOは希少金属であるInを含み資源枯渇,価格高騰に加えフレキシブル性に乏しい.著者らは,高い柔軟性と導電性を示す導電性高分子材(PEDOT/PSS)に着目した.プラスチック基板上に市販のインクジェットプリンタを用いて,PEDOT/PSS薄膜を成膜し,ITO薄膜と同等の特性を有する安価な代替透明導電膜の作製に取り組んだ.これまで,基板のUV/O3洗浄,成膜後の熱処理,極性溶媒を用いた浸漬処理が薄膜の特性改善に有効であることを明らかにしている.今回,極性溶媒による処理方法等の検討によりさらなる特性改善が行えたので,報告する.