抄録
高分解能蛍光X線装置で幾つかの化合物のAlKαスペクトルを測定し, AlKαによるAlイオンの配位状態分析方法について詳細な検討を行った. その結果, まず, AlKαのシフトとプロファイル両方から単一配位と混合配位状態の判別方法を確立した. また, アンダルサイト中の5配位Alイオンの測定結果と分子軌道法による理論計算結果により, 5配位Alイオンのシフトは4配位と6配位のシフト領域の間の中間領域に入ることを証明した. それを踏まえ, シリマナイト中のAlイオンは5配位ではなく, 4配位と6配位の混合であることと, CaO・6Al2O3中のAlイオンは4配位と6配位の混合ではなく, 5配位と6配位の混合であることを明らかにした. また, 4CaO・Al2O3・Fe2O3など混合配位化合物の各配位成分に対しては, 非線型最小二乗法に基づくピーク分離法を用いれば, 良い定量結果を得られることが明らかになった.