日本教科教育学会誌
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原著
「学校における実習」での教職大学院生の学びに関する事例研究
大後戸 一樹佐藤 走中西 紘士
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2022 年 45 巻 2 号 p. 39-49

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抄録

 本研究の目的は,教職大学院の「学校における実習」を2校の公立学校で行った学部新卒院生が,その成果と課題をどのように捉えていたのか,その実習時期や実習校の違いに着目して事例的に検討することであった。そこで,教職大学院生1名を対象に,全4期(計10週間)の実習後に行ったインタビューの分析を行った結果,対象者が対応力について自信を深めるほどに成長した契機には,学校の風土や子ども像が大きく異なる2校でアクションリサーチ実地研究が実施されたことが大きな要因であると推察された。また,実習1期にT2として児童の個別の課題に注意し指導の手応えを得たことや,実習3・4期にT1として「安心できる雰囲気」に支えられて「ある程度の挑戦」に挑めたという経験が有効に機能したことも推察された。

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© 2022 日本教科教育学会
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