日本色彩学会誌
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照明光色の黒体軌跡からの色差が快適性・作業性に与える影響
田代 知範三浦 祐樹永井 岳大山内 泰樹
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2017 年 41 巻 3+ 号 p. 20-22

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抄録
 照明の本来の役割は,暗闇を照らし使用者の視認性や安全性を確保することである.近年,照明は本来の役割に加え使用者に合わせた居住空間を演出する役割を兼ね備えるようになってきた.さらには,シーンとしての効果に加え,快適性や作業効率の向上など様々な付加価値を求めるようになり,LED照明の普及に伴い,その多様性や重要性は増加し,社会的にも浸透してきている. 照明の色温度が快適性に影響を与えることは周知の事実であり,照明の色温度と照度との対応関係において,快不快の境界を示すKruithofのカーブは照明設計の現場で広く用いられてきた.しかし,Kruithofの実験は,実験方法,色順応の影響,快適の定義などいくつかの問題点が指摘されている.また,黒体軌跡を外れた照明に対して快適性や作業性に与える影響を調査した研究は少ない. そこで本研究は,照明光色の黒体軌跡からの色差が快適性や作業性に与える影響を調査するために,15種類のナローバンドなLEDによる照明環境シミュレート光源を使用して,快適性や作業性に対する主観評価実験を実施した.その結果より,各評価項目と照明光色の黒体軌跡からの色差との定量的関係について検討を行う.
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