2025 年 41 巻 3 号 p. 102-111
抄録 長崎大学病院の歯科医師臨床研修プログラムにおけるリフレクションとフィードバックのための取り組みを報告する.歯科医師臨床研修において,研修歯科医が成長するためには,自分自身が行った診療に対して省察し,振り返りを行うことが重要であると考える.本稿では,研修内容として週報,ルーブリック,振り返り研修,診療評価票,症例検討会,実技試験,症例発表会の7つを紹介し,それぞれがどのように研修歯科医にリフレクションを促し,フィードバックを受けるのかを記載した.これらの取り組みは,1年間を通して研修歯科医がリフレクションを行いフィードバックを受けることで,研修に対する意識を変え,成長度合いや改善点を明確にし自身の行動変容に繋げることに貢献していると考えられる.
研修施設は,研修歯科医が日頃から振り返りを行うことを習慣化し,リフレクティブな思考力の向上やフィードバックから行動変容を促すことができるような研修を構築することが大切であると考える.そのためには,指導歯科医と研修歯科医の信頼関係が構築され,研修歯科医がフィードバックを受容しやすい環境を作り,適切なコーチングやポジティブなフィードバックを考慮した指導を行っていく必要がある.