日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
II.成人骨折・脱臼
上腕骨通顆関節外骨折に対するDouble Plate固定と外側Single Plateおよび内側CCS固定の比較検討
川島 至
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2018 年 25 巻 2 号 p. 85-87

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抄録

 上腕骨通顆骨折に対する内外側double plate固定と外側single plateおよび内側CCS固定の術後成績を比較検討をした.対象は上腕骨通顆骨折(AO分類13-A2,A3)にて骨接合を行った20例,double plate固定15例(以下D群),single plate固定5例(以下S群)である.受傷時平均年齢はD群79.2歳,S群82.0歳であった.検討項目は手術時間,術後尺骨神経障害発生率,骨癒合率,最終観察時JOA-JES score,最終観察時可動域とした.手術時間はD群で有意に長く(P<0.05)術後尺骨神経障害発生率は有意にD群で高かった(P<0.05).骨癒合率,JOA-JES score,可動域はいずれも有意差は認めなかった.本研究では上腕骨通顆関節外骨折に対して内側プレートの追加は必ずしも必要ではなく手術時間短縮および尺骨神経障害発生回避をできることが示唆された.

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© 2018 日本肘関節学会
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