日本肘関節学会雑誌
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Print ISSN : 1349-7324
Ⅳ. スポーツ障害
肘頭骨端線閉鎖不全に対して局所反転骨移植法を用いて加療した相撲選手の1例
安井 行彦片岡 利行難波 二郎
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2020 年 27 巻 2 号 p. 255-258

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抄録
 肘頭骨端線閉鎖不全は投球動作時の肘頭への外反過伸展ストレスで発症する症例が多いが,投球動作を伴わないスポーツでの発症は稀である.症例は13歳男児.腕立伏せ,相撲競技中の慢性的な両肘後面痛を自覚後6カ月時に右肘自動伸展時に右肘痛が増悪.右肘頭は骨端核の完全転位を認め,左肘頭は骨端線の不正像を認めた.両側肘頭骨端線閉鎖不全で右側の骨端が完全に離開したと判断した.右側は骨端線部を掻爬し,tension band wiring(以下TBW)で固定した.左側は肘頭後面の骨端線を超えて長方形に骨切り後に局所で反転して骨移植を行い,TBWで固定した.術後12週で左側が,術後18週で右側が骨癒合し,完全に競技復帰可能であった.相撲では外反過伸展ストレスは生じにくく,本症例は上腕三頭筋の牽引力が発症の原因と考えられた.非転位側には局所反転骨移植を併用したが,完全転位側より早期に骨癒合が得られ有用であった.
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© 2020 日本肘関節学会
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