日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
第56回大会・2013例会
セッションID: A1-2
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56回大会:口頭発表
中学生の住生活に関する学習要求
*小川 裕子中島 喜代子石井 仁田中 勝杉浦 淳吉小川 正光
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抄録
目的:本研究では、先に行った教員を対象とした調査に続けて、中学生を対象とした住生活に関する学習要求を明らかにする調査を実施した。住生活の学習について学習者サイドの要求を明らかにすることによって、今後の住生活の学習内容や教材、学習方法の改善に資することを目的とする。
方法:先の教員調査と同様に、東海地方4県に所在する公立中学校計14校(静岡県4校、三重県3校、岐阜県4校、愛知県3校)の一部または全生徒を対象とした。回答者は計3,302名である。調査は、2011年10月から2012年2月にかけて実施した。
結果:回答者の基本属性は、学年は1年生1,593名、2年生679名、3年生1,030名、性別は男子1,626名、女子1,657名、不明19名である。学校の立地を基にして、居住地域を市街地、住宅地、郊外の3地域類型に分類したところ、それぞれの該当者は、市街地983名、住宅地1,268名、郊外1,051名である。回答者の中学校での住生活の学習状況は、学習前1,272名、学習中364名、学習後1,666名である。 まず、家庭科全学習内容(1998年告示学習指導要領の12項目)に対する生徒の「関心」の結果における住生活の位置は、調理、食品に次いで高く、決して低くはない。ただし、学年が上がるにつれて「大変関心がある」と回答した割合が低くなる。以上の結果には顕著な男女差が認められ、家庭科の多くの内容に女子の方が男子より高い関心を示しているが、住生活に関してのみ「大変関心がある」と回答した割合は男子の方が女子より顕著に高いという特徴がある。
 次に、住生活に関する学習内容を16挙げ、それぞれについて学習の必要性と共に、必要と思う場合についてそう思う理由(好き・楽しいから、今の自分の生活に役に立つ、将来の自分の生活に役に立つ、将来の社会に役に立つ、その他)を問うた。全体で学習の必要性が最も高い内容は、「災害に対する安全対策、防犯対策」であり、「住まいの維持・管理」「家庭内の事故と安全対策」が続く。その後は「環境に配慮した住まい」「バリアフリー・ユニバーサルデザイン」「家族の生活と住み方」「通風・換気」である(これらの内容について、7割以上が「必要」と回答)。これらの学習が必要だと考える理由に関して、「将来の社会に役に立つ」とする回答が多い内容は「バリアフリー・ユニバーサルデザイン」「環境に配慮した住まい」「災害に対する安全対策、防犯対策」である。「将来の自分の生活に役に立つ」という理由を多くが挙げた内容は、「家庭内の事故と安全対策」「災害に対する安全対策、防犯対策」「住まいの計画」「住まいの維持・管理」「気候・風土と住まい」「通風・換気」である。「今の自分の生活に役に立つ」という理由を多くが挙げた内容は、「住まいの維持・管理」「通風・換気」である。「好き・楽しいから」という理由の挙がった内容は、全体に少ないものの「住まいの計画」と「生活行為と住空間」でやや多い。以上の結果には、性別や住生活の学習状況によって有意差が認められた学習内容も少なくない。
 さらに、住生活学習の方法について11例を挙げて学習したいかどうかを尋ねた。全体の6割以上が「学習したい」と回答した学習方法は、「インターネットや本での調べ学習」「地震体験」「視聴覚教材による学習」、そして「学校外での実験・調査・観察」である。これらを含め11件の学習方法すべてにおいて、住生活の学習状況によって有意差が認められた。「学習したい」と回答した割合は、学習中が最も高く、次いで学習前、学習後が最も低い値であった。また、以上の学習方法に関する希望についても男女間で有意差の認められた項目は11中9件を占めた。
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© 2013 日本家庭科教育学会
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