日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
第56回大会・2013例会
セッションID: 1-1
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2013年度例会:口頭発表
高等学校家庭科における調理理論・実習・実験を組み合わせた授業実践
~マヨネーズを教材とした試み~
*廣瀬 いづみ
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抄録
【問題と目的】
  新高等学校学習指導要領が、平成25年度から年次進行で実施されている。それに伴い必履修科目を「家庭総合・4単位」から「家庭基礎・2単位」へ変更する学校が増え、今後この傾向は加速することが予想される。勤務校は県立の進学校のため以前より「家庭総合・3単位」(1年次1単位、2年次2単位)であったが、今年度から「家庭基礎」(2年次)に変更された。本校は行事・クラス数が多く、2時間連続の授業時数や選択科目との兼ね合いで調理実習室を確保する事が難しい。年3回の調理実習が精一杯である。同じような状況を抱える高校は多いと聞く。
  そこで「家庭基礎」「家庭総合」「生活デザイン」のどの科目においても共通に対応できるように、1単位時間で完結できる教材開発を試みた。
【方法】
《1》教材開発の視点
  (A)調理実習では扱わない題材だが、日頃の講義を通して生徒が興味・関心を持っている身近なもの。(B)理論・実習・実験等が一連の知識・技術として学習できるもの。(C)学習の成果を普段の生活のなかで生かせ、アレンジ等、各人の工夫で広がりのあるもの。(D)調理室が空いていない場合にも対応できるよう、教室や被服室でも可能なもの。(E)1時間の授業で完結するもの。
これにより、理論には科学的な根拠があることを実習・実験で確認し、普段の生活に生かすことができる実践力を身につけ、応用力を養うことができると考える。
《2》「マヨネーズ」を教材とした授業の流れ(1h)
  〔1〕前回の学習内容の確認:展示見本(油脂類・調味料類)と調理理論(水中油滴型エマルジョン・卵黄の乳化作用),グループ分け,実習説明(マヨネーズの作り方),実験説明(利きマヨネーズ)
  〔2〕本時の学習内容:実習(手作りマヨネーズ),実験(手作りマヨネーズと市販マヨネーズの味比べ),まとめ(ワークシートの完成)
【結果と考察】
《1》授業後の生徒のアンケート結果より
  ・家でマヨネーズを手作りできることが判り作ってみた,市販のマヨネーズを料理によりアレンジして使用するようになった,手作りをすると様々な味の物ができ我が家の味を創ったり料理や家族の嗜好に合わせることができる,頭の良くなるマヨネーズが印象深かった(ブドウ糖を使用してつくった),使用する油脂や調味料によりグループで味や色も違いおもしろかった,市販のマヨネーズもメーカーにより味が違い、カロリーを押さえる等種々のタイプが販売されていることが判ったので、購入時は家族の健康・好み・使用する料理を考えて賢く利用したい,調理理論と実習・実験がセットになっていたのでよく理解できた,1時間の授業の中で多くの事が判り充実していた
《2》本時授業から見える生徒の変化
  上記生徒のアンケートにみられるように、生徒たちは終始、授業に高い興味・関心を抱き、強い意欲を持ち取り組んでいた。グループでの実習・実験の間はよく協力し合い、盛んな意見交換をグループの内外で行っており生徒が主体的に学習に取り組む様子が窺えた。また、積極的に生活に生かそうとする回答も多く夏休みの宿題であるホームプロジェクトで活用する生徒も見られた。
  これらのことから、高校生の身近に存在するものを題材として取り扱い、理論・実習・実験を経て実生活と結びつけるように展開をしてゆくと実践力・応用力を養うことができると考える。
  今後も様々な領域・分野で実践例を作っていきたい。 
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© 2013 日本家庭科教育学会
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