日本家政学会誌
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黒米及び黒米加工品のラジカル捕捉活性
菅野 友美谷本 憂太郎亀谷 宏美三宅 義明
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2019 年 70 巻 2 号 p. 68-77

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抄録

 我々は黒米及び黒米加工品の3種のラジカル捕捉活性 (DPPH〈2,2-diphenyl-1-picrylhydrazyl〉ラジカル捕捉活性, ヒドロキシルラジカル捕捉活性, スーパーオキシドラジカル捕捉活性) を分析した. 後の2つは電子スピン共鳴 (ESR) スピントラップ法を用いた. 黒米加工品は80%エタノールで抽出した. さらに, 黒米及び黒米焙煎は80%エタノールと熱水でそれぞれ抽出した. その結果, 黒米焙煎の80%エタノール抽出物のラジカル捕捉活性は黒米のそれと比較して高い活性値を示した. このことから焙煎がラジカル捕捉活性に影響すると示唆した. 3 種のラジカル捕捉活性は関連を検討した. ラジカル捕捉活性法間の関連性は, スピアマンの順位相関係数により検討した. 黒米及び黒米焙煎は全てのラジカル捕捉活性間に相関が見られた. しかし, 黒米加工品のラジカル捕捉活性についてはDPPHラジカル捕捉活性とスーパーオキシドラジカル捕捉活性間にのみ相関が見られた.

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© 2019 一般社団法人 日本家政学会
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