日本家政学会誌
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UR賃貸集合住宅団地内の再生住宅における消費エネルギー削減のための要因の分析
―住戸属性及び居住者の意識・生活行為に着目して―
秋田 美穂川野 紀江高橋 里佳村上 心
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2023 年 74 巻 10 号 p. 568-581

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抄録

 高度経済成長期に盛んに建設された団地は, 50年以上が経過し, 老朽化がみられる. 老朽化した団地は, 再生住宅として, 既存建物を活かすために, 定期的な修理・修繕に加え, 断熱材の付加や耐震性能向上などの改修をしている. また, 近年では地球温暖化対策や持続可能な社会実現のために, 家庭レベルでも消費エネルギー削減の重要性が高まっている.

 そこで, 本研究では, 再生住宅に住む居住者を対象に, 「消費エネルギー」に注目し, 住居属性及び消費エネルギーへの意識や生活行為と消費エネルギーとの関係を分析することで, 有効な消費エネルギー削減のための要因を提示した.

 研究方法は, 再生住宅に住む居住者を対象に, 消費エネルギーや地球環境に関する意識, 消費エネルギー行為を問うアンケート調査を実施し, 集計および分析を行った.

 居住者数と消費エネルギーとは高い相関があった. 消費エネルギー削減のための意識や行為に関しては, 「消費エネルギー削減行為」をしていることで効果を得ていた. 具体的には, 「節水・節電」, 「エアコンの温度調整」, 「緑化」をしていることで消費エネルギーを抑えていた. これらの適切な方法を居住者に提案することで, 効果が得られると思われる.

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© 2023 一般社団法人 日本家政学会
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