高吸湿レーヨン繊維の吸湿に伴う発熱状態の持続性を高めるべく, 蓄熱マイクロカプセルを繊維に付着させてその改良を試みている. 本研究では様々な使用環境を想定し, 異なる温度や湿度の雰囲気状態にて発熱状態の持続効果について調べた.
その結果, 雰囲気温度が低いほど, 吸湿に伴う発熱状態は時間的に長くなることがわかった. 同様に雰囲気湿度を変えて吸湿発熱挙動への影響を調べたところ, 低湿度の状態より吸湿させた方が発熱ピークが高くなる傾向が認められた. また, 蓄熱マイクロカプセルを付着させることによって, 幅広い雰囲気温度や雰囲気湿度の範囲で発熱状態を長く維持できるようになることもわかった. これらの結果より, 低温低湿度である日本の冬季においては, 吸湿発熱繊維の蓄熱マイクロカプセルの付着による効果は非常に有効であることがわかった.