抄録
糊化度の異なる市販の麺類 12 種 (未糊化麺 5 種, 糊化麺 7 種) を用いて, 吸湿による破断特性を比較したところ, 原材料, 製法, 形状, 密度の異なる麺類にも関わらず, 未糊化麺と糊化麺の間には次のように明らかな差異が認められた.
(1) 環境湿度 7.6~97%, 吸着水分量 4~28g /乾物100g において, 未糊化麺は吸着水分量の増加に伴い切断応力比が低下し, 軟化の一途をたどるが, 糊化麺は吸着水分量 15g/ 乾物 100g 付近でも硬さが保持され, それ以上の吸着水分量で軟化した.
(2) 水/トリエチレングリコール混液に浸漬した麺においても, 糊化麺は未糊化麺に比べて軟化しにくい傾向がみられ, 吸水量 30g /乾物 100g 付近において, 糊化麺と未糊化麺の破断特性値に差がみられた.
(3) 吸着水分量 10~15g /乾物 100g 付近の麺の破断特性値と膨潤度, 溶出アミロース指数, α化度, 粘度間に正の相関があった.
以上の微量水分吸着による麺の破断特性値の変化要因について, 食品のガラス化と束縛水量の側面から検討を行った.