総合健診
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[特集]
   総合健診におけるメンタルヘルス
職場のメンタルヘルスの現状と展望
川上 憲人
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2009 年 36 巻 2 号 p. 217-222

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抄録
  この総説論文では、わが国の職場のメンタルヘルスの現状と課題、職場のメンタルヘルス対策の現状、そしてこれからの職場メンタルヘルスの対策について紹介する。わが国のメンタルヘルスは、増加する労働者のうつ病、経営から見たメンタルヘルスの重要性の増大、深まる職場の「社会格差」、職場でのいじめ、長時間労働に伴うメンタルヘルス不調、中小規模事業場におけるメンタルヘルス対策の実施率の低さなどの課題に直面している。わが国の職場のメンタルヘルス対策は、厚生労働省の「労働者の心の健康の保持・増進のための指針」により、教育・研修と情報提供、職場環境等の改善、メンタルヘルス不調への相談対応、メンタルヘルス不調の労働者の復職支援の4つの実施事項を中心に展開されている。これらの対策は基本的なものであるが、これからの職場のメンタルヘルスの課題には十分対応できないかもしれない。これからの職場のメンタルヘルス対策の例として、企業組織のストレス評価と対策、うつ病の第一次予防、中小企業向けの復職支援サービスを紹介した。
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© 2009 一般社団法人 日本総合健診医学会
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